会話劇⑤

~お説教~

深守「ちょいと」

結江「ち、父上…っごめんなさい」

深守「…そこ、座んなさい」

結江「はい…」

深守「……で、この破れた障子はなんだい」

結江「う、腕を…突っ込みました」

深守「それで?」

結江「た、楽しくなっちゃった…」

深守「はぁ……子供ってのは皆同じなのねぇ…」

結江「……?」

深守「ここだけの話。耳貸しなさい」

結江「???」

深守「実はね、母上も昔同じことをしていたわ」

結江「母上が…?」

深守「昔は結江に似ていた」

結江「へぇ…意外」

深守「でもやっていい事と悪い事くらいわかるでしょう」

結江「っはい、ごめんなさい」

深守「もうしないって約束できるかい?」

結江「できます! します! 許してくださいっ」

深守「まぁ今回だけは許してあげましょ。結江、ついでだわ。ここにある障子全部破りなさい」

結江「いいいいの?」

深守「いが多いわね。汚れてるし全部張り替えちゃいましょ」

結江「!!」

 

結望「なんか物音がするんだけど…」

深守「障子破ってるわ」

結江「見たらわかるけど…一体どういう流れなの?」

深守「まぁまぁ。ほら、深雪もやってみなさい」

深雪「え…っ」

結江「こんな感じ! えい!」\バンッ/

深雪「い、いいの…? えいっ」\パンッ/

深守「うん。可愛すぎるわね」

結望「もう…甘いんだから。じゃあ、張り替えの準備してくるね」

深守「ありがと」

 

結望(――あぁ、なんだか昔を思い出してしまったわ…。あの時…、確か深守はお母様の代わりに私を叱ったっけ。その後は今回みたいに三人で破って張り替えした…気がする。懐かしい、こんな風に過去のこと思い出すなんて思いもしなかった。嬉しいな)

 

 

~恋愛相談~

結江「母上様」

結望「…あら、改まってどうしたの?」

結江「相談、したいことがございます」

結望「えぇ、何かしら?」

結江「私…ね、阿希のことが……す、好きなの……」

結望「…まぁ! 結江がそこまで阿希さんのことを思っていたなんて…私は嬉しいですよ」

結江「で、でも…阿希ったら私のことからかってばかりいるの。だからね、母上に恋愛相談…を…えへへ」

結望「そうね…でも、からかってるっているのはきっと、結江のことが好きっていうものの現れだと思う…のよね。父上がそうだったから…」

結江「……うーん、そういうものなのかしら」

結望「私はそう思うけどなぁ…。阿希さんならやりそうだもの。…あ、そうだ。結江は阿希さんに何かしたいことってある?」

結江「したいこと…?」

結望「えぇ、何か渡したり、手料理振舞ったり。阿希さんに思いの丈を伝えられそうなこと」

結江「で、でもそれ、恥ずかしい…じゃない」

結望「絶好の好機だと思うけど…文を渡すとか?」

結江「一番恥ずかしいですっ」

結望「ふふふ、ごめんね。でも、結江が恋愛相談してくれる歳になったのね…嬉しいな」

結江「…大きくなったでしょ?」

結望「えぇ、とっても」

結江「母上、大好きです」

結望「私も、結江のことを愛していますよ」

結江「あ、でもこのこと父上には内密で…とてもとても恥ずかしいの」

結望「はいはい、わかってます。私ならいつでも相談に乗りますから」

結江「絶対だからね…!」

 

外にいた深守

深守(…耳が良いってのも玉に瑕だねぇ。影で応援するわ、結江…!(血涙))

 

 

~うちの子かわいい②~

深雪五歳

深雪「ちちうえだっこ…」

深守「くっかわいい…いいわよ。いっぱい抱っこしたげるからね」

 

深雪十二歳

深雪「父上」

深守「かわいい」

深雪「まだ何も言ってないのですが」

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